【完】溺愛したいのは、キミだけ。

それを聞いて、ハッとした顔になる玲くん。


「は? いや、待て。あれは……」


「他に好きな子がいるのに私とデートするなんて、変だよ。だからもう……」


どうしよう。なんかもう止まらない。


「お、思わせぶりなことはしないでっ。期待しちゃうからっ!」


あぁ、言っちゃった。余計なことまで口走っちゃった。


「琴梨っ」


そんな私の腕を、玲くんがギュッと掴む。


「か、帰るっ!」


だけど私は、その手を振りきって駆けだした。


「おい!」