【完】溺愛したいのは、キミだけ。

そして彼は、ズボンのポケットからスマホを取り出すと、画面を確認して。


「そういえばさ、来週の土曜って、花火大会あるよな」


「あ、うん。そうだね」


たしか、雛乃や美羽もその花火大会行くって言ってたなぁ。


「琴梨はその日、空いてる?」


「えっ。あ、空いてるけど……」


「よかったら、一緒にいかね?」


まさかの誘いに驚いて、心臓がドキッと跳ねた。


ウソッ。私と……?


「ふ、二人で?」


確認するように問いかけると、玲くんは「うん」と頷く。


だけど私は、すごく戸惑ってしまった。