【完】溺愛したいのは、キミだけ。

夕方になり、ショッピングモールを出て駅まで戻ってきたところで、玲くんがふと私に尋ねてきた。


「琴梨、大丈夫? 疲れてない?」


「えっ?」


「いや、さっきからなんか元気ないから」


そう言われてドキッとする。


どうしよう。私、顔に出ちゃってたんだ。


「そ、そんなことないよっ。全然元気だよ……」


「ならいいけど。ごめんな、いっぱい歩かせて」


「えっ! そんな、全然大丈夫だよっ」


精一杯の笑顔で返したら、玲くんはなぜか少し不安そうな顔で聞いてきた。


「今日、楽しかった?」


「うん、すごく楽しかったよ。ありがとう」


「そっか、よかった。俺も楽しかったよ」