【完】溺愛したいのは、キミだけ。

だけど続けて彼の口から語られた予想外の言葉に、私の体はピシッと固まった。


ウソ。なにそれ……。電車でのど飴をくれた子?


…………誰??


「まぁ、その時一目惚れしたみたいな感じで。それ以来その子のことがずっと気になってんだよ」


玲くんが少し照れたようにそう言ったのをボーっと見つめながら、魂が抜けていくような感覚に陥る。


ウソでしょ……。そんな子が、いたんだ。


一瞬にして期待が粉々に崩れ去った瞬間だった。


今の話が本当なら、玲くんの好きな子は、私ではなくて……別の人ってことだよね?


だって、私が玲くんと初めて話したのは、あの中庭でホースの水をかけてしまった時だし。


それまで全然接点なんてなかったわけで。


だからカケルくんに声が似てるってことすら知らなかったし、彼にのど飴をあげた記憶なんてないし……。


ダメだ。ショックすぎてすぐには言葉が出てこないよ。


どうしてこんなにショックなんだろう。


玲くんに、他に好きな子がいたという事実が、こんなにもショックだなんて……。