【完】溺愛したいのは、キミだけ。

するとそんな私に向かって、神城くんが困ったように言ったのを聞いて、ハッとして我に返った。


やだ。私ったら、ついまたボーっとしちゃった。


「あ、いや、見てたんじゃなくて、聞いてたというか……」


「え? 聞いてたって、何を?」


「神城くんの声を」


聞かれたので正直に口にしたら、神城くんはギョッとしたように目を丸くした。


「はぁっ!? 何言ってんのお前」


「だ、だって、そっくりなんだもん。カケルくんの声に」


すると一瞬、場がシーンとなって。


「……は?」


間の抜けたような声を出す神城くん。


「いや、誰だよ、カケルって」


「えっと、声優です! 星野カケルっていう今人気急上昇中の声優なんだけど、神城くんの声がその人の声にそっくりだなぁってさっきからずっと思ってて……。言われたことない?」