【完】溺愛したいのは、キミだけ。

そっと私の頭に手を伸ばし、前髪の横に着けていたヘアピンをつけなおしてくれた。


――ドキン。


「はい。たぶん直った」


……わあぁ、近い。近くで聞くとますます、カケルくんの声だ。


別人だってわかってるのに、声の破壊力と言ったら……。


「あ、ありがとうっ」


お礼を言って彼の顔を見上げ、じーっと見つめる。


初めてこんな間近で彼を見たけれど、あらためてじっくり見ると本当にイケメンでちょっとビックリする。


カケルくんとはまた全然タイプが違うけど、めちゃくちゃ顔が整ってて、キレイかも。


切れ長の瞳に、スッと通った鼻筋、そして薄い唇、水に濡れた黒い髪がますます色気を増していて、なんだか見とれてしまいそうになる。


「……っ、なんだよ。さっきから人の顔ジロジロ見て」