【完】溺愛したいのは、キミだけ。

じっと私の目を見つめながら、こう言った。


「まだわかんない?」


「えっ……」


どういう意味?


翠くんの瞳が、私をまっすぐにとらえる。


そして次の瞬間、急に彼の顔がぐんと近づいてきて……。


そのまま優しく唇をふさがれた。


「……っ」


柔らかい感触がして、それから数秒後、そっと離れて。


あまりにも突然だったので、一瞬何が起こったのかわからなかった。


再び目と目が合って、キスされたんだと認識した瞬間、全身がかぁっと熱くなる。


心臓があり得ない速さでドクドクと脈を打ち始めて。


ウソ。なんで……?


翠くんに……キスされた。


一体なにがどうなってるの?


だって昨日は、春田さんのことあんなふうに抱きしめてたのに……。


どうして私にキスなんかできるんだろう。