【完】溺愛したいのは、キミだけ。

そんなふうに聞かれても、なんて答えたらいいのかわからない。


どうしたらいいの?


なんだか泣きそうになってくる。


「こっち見ろよ、ヒナ」


翠くんがそう言って、壁に着いていないほうの手で私の手首を掴み、顔をじっと覗き込んでくる。


「は、はな、して……」


「無理。答えるまで離さない」


その表情はすごく真剣で、どこか必死さも感じられて。


ねぇ、どうしてそんな顔するの?


翠くんは春田さんのことが大事なんじゃないのかな?


だったらどうして、今でもこうして私に構うんだろう。


わからないよ。


「どう、して……?」


「え?」


そっと彼を見上げる。


「どうして翠くんは、私に構うの?」


思わず口に出してしまった。


私ったら、何を聞いてるんだろう。


すると翠くんは、一瞬考えたように黙り込んでから。


「どうしてって……」