【完】溺愛したいのは、キミだけ。

そんなふうに言われると、心苦しい。


さっきも私、あからさまに不自然な態度を取っちゃったし、やっぱり翠くんはそのことを気にしてたんだ。


でも、春田さんとのハグを見たなんて、やっぱり言えないし。


「な、何もないよ……」


うつむいたまま答えたら、翠くんはそのまま私を壁際に追い詰めると、囲い込むように壁にドンと手をついた。


「何もないなら、なんで急に俺のこと避けてんの?」


「……っ」


いつになく不機嫌そうな翠くんを前にして、ますます何も言えなくなる。


困った顔で黙り込んだら、彼はそんな私を見下ろしながら、はぁっとため息をついた。


「なんでそんな顔すんだよ。さっき、倉田には笑いかけてたくせに」


「なっ……」


ウソ。倉田くんと話してたの、見てたんだ。


「そんなに俺に構われるの迷惑?」


「ち、ちがっ……」


「じゃあなんで?」