【完】溺愛したいのは、キミだけ。

「っていうか涼川さん、なんか今日朝から元気ないよね」


「えっ……」


すると倉田くん、心配したように顔を覗き込んできて。


「そ、そんなことないよっ」


「ほんとに? 何か悩んでたりしない?」


「ううん、何も……」


倉田くんにも気づかれてたなんて。


すると彼は、ふと何か思いついたようにズボンのポケットに片手を突っ込んだ。


「あ、そうだ。ちょっと目つぶって。そして手出して」


「え?」


なんだろうと思いながらも目をつぶり、手を差し出す。


そしたら次の瞬間手の平に何か小さなものが乗る感触がして。


「はい、もういいよ」


目を開けると、そこには可愛いアメの包みが一個置かれていた。


「わぁ、これ……」


「あげるよ。だから元気出して」


そう言ってほほ笑んだ倉田くん。


そんな彼のさりげない優しさに胸がジーンとする。


「ありがとう、倉田くん」


笑顔でお礼を言ったら、倉田くんはまたはにかんだように笑った。


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