【完】溺愛したいのは、キミだけ。

「それじゃあとで」


「うん、またね」


社会科準備室を出て、翠くんと手を振って別れたあと、教室に戻ろうと廊下を歩いていたら、派手な女の子たちの集団とすれ違った。


すると、すれ違いざまジロジロ見られて。


「やだあの子、また翠くんと二人でお昼食べてたんだ~」


「あの子でしょ? 翠くんのお気に入り」


聞こえるような声で噂され、ドクンと心臓が飛び跳ねる。


翠くんのお気に入りって、私、あの子たちにまでそんなふうに思われてたんだ……。


「あんな地味な子のどこがいいんだろ。だって、ちょっと前まではすごいダサかったじゃん。急に化粧し始めたりとかしてさ、今頃高校デビュー、みたいな?」


「ぎゃははっ! わかる~。ちょっと可愛くなったからって調子乗ってるよね」


「うんうん。翠くんと全然釣り合ってないよ」


バカにしたように言われて、胸がギュッと苦しくなる。


釣り合わない……かぁ。