【完】溺愛したいのは、キミだけ。

――キーンコーンカーンコーン。


一時間目の授業が終わった後、一人でトイレに行った私が教室に戻ろうと廊下を歩いていたら、サッカー部の男子たちが何人かで輪になって話しているのが見えた。


翠くんも一緒にいるかなって思ったけど、どうやら彼はいないみたい。


歩いて通り過ぎたら、ふとこんな会話が聞こえてきて。


「いいよなー、翠の奴、祈里ちゃん独り占めできて」


思わずドキッとして足を止めてしまった。


翠くんと春田さんの話だ……。


どうしよう。ちょっと気になる。


さりげなくスマホをいじるふりをして、聞き耳を立ててしまった私。


そしたら彼らはさらにワイワイと盛り上がって話し始めた。


「あの子、完全に翠しか眼中にないもんな~」


「翠もまんざらでもないのかな?」


「いやー、あんな可愛い子に言い寄られてドキドキしない男なんていないだろ~」


「だよな~。でも、翠って涼川とデキてるって噂なかった?」


その言葉でまたドキッと心臓が跳ねる。


ちょ、ちょっと待って! なんで私!?


私って、翠くんと噂になってたの……?


「たしかに、最近いつも涼川と一緒にいるもんな~。翠のお気に入りだって噂だし」


なっ……。