【完】溺愛したいのは、キミだけ。

な、なんだ。ビックリした。


もしかして、からかわれてただけなのかな? なんて思ってたら。


「ごめん。今のは俺、ちょっと暴走しすぎた」


困ったように笑いながら、私の額を片手で優しく撫でてくる彼。


「ヒナがあんま素直だから、可愛くて。危うく理性飛ぶとこだった」


「……なっ!」


り、理性?


すると翠くん、ゴロンと隣に寝転んで、こちらを向いて。


「ってなわけで、今度こそちゃんと寝るから」


それからまた私の体を片腕でぎゅっと抱き寄せてきた。


――ドキン。


「ヒナの匂い、やっぱ落ち着く」


そんなふうに言われたら、恥ずかしいけど、ちょっと嬉しい。


さっきから翠くんがあまりにも甘いから、また私、うぬぼれてしまいそうだよ。


「……あっ。そういえば翠くん、冷却シートは……」


そこでふと、先ほど貼ってあげようとした冷却シートのことを思い出した私。


たしか、つまずいた勢いで床に落としちゃったんだっけ。


そしたら翠くん、さらにギュッと腕に力を込めて。


「もういいよ。大丈夫」


「でも、熱は?」


「それより今はヒナと離れたくない」


「……っ」