【完】溺愛したいのは、キミだけ。

すると次の瞬間、彼の大きな右手がポンと私の頭に触れて、そのまま優しく撫でられた。


「可愛い」


――ドキン。


そんなふうに言われたら、ますます赤くなっちゃうよ。


「ヒナの反応可愛いから、からかいたくなる」


翠くんがそう言って、私を見ながらクスクス笑う。


だけどその表情がすごく優しくて、思わず胸の奥がキュンとしてしまった。


「はい、直ったよ」


「サンキュ」


無事ボタンを留めなおしたところで、翠くんが思いついたように言う。


「そういえば、メッセージくれたのに返せなくてごめん」


「あ、ううん、大丈夫」


「朝はもっと熱ヤバくてあとで返そうと思ってたら、いつのまにか寝てた」


「そんなの全然いいよ、気にしないで。風邪の時はたくさん寝ないと。あ、少しは何か食べた?」


「いや、何も。食欲なかったから薬だけしか飲んでない」


それを聞いて、思わず心配になる。


「ウソッ! 一口くらい何か食べたほうがいいよ。あ、そうだ。ゼリーならあるよ。買ってきたの」