帰ってきて一週間。
 保育園にも復帰して、子ども達と楽しく日々を過ごしていたし村での生活も王都に行く前と同じとはいかなくなっていることが一つ。

 それは、カーライドさんとの関係。
 私が自覚した気持ちは本人にはまだ何も言っていないが、帰宅してからどうもカーライドさんの態度が変わった。

 私の仕事帰りは迎えに来るし、陛下や王妃様からもらった服を見ると服は難しいからと言いつつ、髪飾りや綺麗なリボンなんかをプレゼントしてくれた。
 休みの日は、村の中で一緒に買い物に行ったりもするし過ごす時間が増えている。

 そして、今日とうとう一言が告げられた。

 「ハルナ、俺と結婚してほしい。ハルナとずっと一緒に居たい」

 綺麗な花と共に告げられた言葉や表情は真剣そのもので……。
 花も一緒に出掛けたりしたときに私が好きだと言ったものだ。

 「私、落ち人だよ? 羊族ではないのに良いの?」

 私が引っ掛かっていたのはそこだ。
 素直に気持ちを伝えたくてもためらった種族の違い。
 しかし、カーライドさんは微笑んで言う。

 「この二ヵ月、離れて思ったよ。ずっと一緒に居たいし離れたくないなって。それを確かにするのは結婚なんだ。ハルナには結構いきなりかもしれないけれど、俺はずっとハルナが好きだった」

 真っすぐな言葉と態度は気持ちをストレートに届けてくれる。
 
 「ハルナの気持ちが知りたい」

 私の言葉を待つカーライドさんは、すこし緊張の面持ちだ。
 あぁ、私は彼のこういう真っすぐで優しい人柄に惹かれたんだなと改めて思う。