一番上にたどり着くと、ニーナちゃんは嬉しそうに座りつつもそこから下にいる私に顔を見せて言った。

 「ハルナ先生。登った感じ大丈夫だよ。高くって落ち着くよ」

 嬉しそうな声と、大丈夫と言う言葉にホッとする。

 「ありがとう。ニーナちゃんで大丈夫ならほかの子でも大丈夫かな?」

 そう尋ねると、ニーナちゃんはちょっと考えた後に答えてくれた。

 「うん、豹とかチーターの子達なら。ライオンの子はあんまり登らないから。だからライオンの子用にしたにもハンモックあったらいいんじゃないかなぁ」

 おぉ、なんて有意義な意見。

 「そうなのね、そこは王妃様に頼んでみるね。ニーナちゃん降りてこれる?」

 「うん、大丈夫。あ、でもハルナ先生に飛んでみてもいい?」

 なんて可愛い提案。しっかり受け止めて見せるわ。

 「うん、いいよ。おいで」

 そう手を広げて待機すると、ニーナちゃんはタワーの中段あたりから軽い感じでぴょんと飛んできた。
 しっかりキャッチするとニーナちゃんは尻尾を立てて嬉しそうな声を上げる。
 「わぁ、楽しい! 先生、この下にマット敷いて飛んでもいいってしてほしい。豹だから上手に着地できるよ!」

 うん、ネコ科の子の身体能力は高そうだもんね。
 マットも王妃様に相談しよう。

 「分かった。ハンモックとマットの両方、王妃様に聞いてみるね」

 その後は、好きな絵本を聞いたり折り紙の飾りつけを一緒に作ったりして過ごしているうちにあっという間に二時間経過。

 ガラッと勢いよく教室のドアが開いてミケーレさんが顔を見せるころには、私とニーナちゃんはすっかり仲良しになれていたのだった。