園舎もその教室もみんなお子様サイズ。
 可愛らしい色合いと、優しい丸みを帯びた家具の並ぶ教室。
 そして温かみのある木のぬくもりにあふれた園舎は素敵だった。
 これは、たぶん王妃様の影響が大きいと見た。

 「ハルナ、どうかしら? 羊族の保育園の良いところを取り入れつつ、広さと数をそれなりに用意したわ」

 私が園舎に来た時一緒に来てくれたのは王妃様だった。
 
 「ここのデザイン案見た時可愛かったけれど、私はこういう素朴で温かみのある雰囲気が好きなの。 でも可愛いのも捨てがたくって取り入れた部分もあるのよ」

 にこやかに話してくれる王妃様。
 いえ、王妃様私もこの感じが好きですよ。
 元のデザイン案はちょっと明るめに書いてみただけですからね。

 「私も、この園舎は温かみを感じられていいと思います」

 「ハルナも気に入ってくれたなら大丈夫ね。 一応ネコ科の子が多めだから特有のものまで一緒に準備しておいたわ」

 そう、園舎の中の一角にはなんと私が現代で見たのより立派なサイズの猫ちゃんタワーがあったのだ。

 爪とぎのできる、ロープを巻いた柱やマットが敷かれた階段。
 綿の布で出来てるハンモック。
 どれも猫が好きそうなものばっかりだ。

 「子ども達って、お家でもこんな物に囲まれて生活してるんですか?」