あっという間に寝て起きたら、本日も晴天なり。
 いい天気なら移動も問題なさそうで一安心。
 
 「おはようございます」

 宿屋の食堂に準備を整えて降りると、キリっとしたミケーレさんが準備を整えていた。

 「すみませんが、お昼までには王都にはいりたいので朝食は摘まめるものを用意してもらいました。馬車で食べながら向かいましょう」

 「分かりました」

 宿のご主人はサンドイッチを用意してくれたらしい。
 お水の筒も頂いて、さっそく昨日の馬車に乗り込んだ。

 王都に近づいたからか、道が整い馬車の走行もスムーズで乗り心地が変わったことに気づく。

 「ここから王都は半日なので、やり取りも多く道が石畳になっていて整っているんです。だいぶ乗ってる方も楽だと思います」

 私が道の変化に気づいたのを察したミケーレさんがそう教えてくれる。

 「大変かもしれないけれど、この石畳の街道を各種族の村まで通せるとこの前の嵐みたいなときに支援が早くできるようになると思うんですが」

 私がそう、意見するとミケーレさんはキラリとモノクルを光らせて言う。

 「それは私も常々感じていました。やはり石畳にするのが良いのですね」

 「えぇ。迅速に駆けつけるにも、継続的に物資支援するにも道が整っている方が迅速でスムーズでしょうから。そして道を作るのは国からの事業として半分くらいは各種族にも頑張ってもらうと早く整うかと」

 そんな私の言葉を考えたように顎に手を当てて黙ったミケーレさん。

 「やはり、落ち人の考え方は面白いですね。王都に着いたら陛下にも話してみてくれませんか?」

 「構いませんよ。着いたらお会いするでしょうし」

 そんな私の返事に満足そうに頷いた後は王都の保育園の作りや、預かることになりそうな種族の子ども達の話をしているうちに大きな壁のある場所にたどり着く。