その日は、とても空が澄んでいた
君はいつもの場所で歌っている。

その澄んだ空に君が消えていきそうで。
僕は怖くなり、いつの間にか君に声をかけていた。
『あのっ!』

その瞬間、君は倒れた。

僕は驚き、救急車を呼ぶ。

病院では君の両親がいた、君の両親は、僕に泣きながら頭を下げ、僕の姿を見て
『貴方はっ!』
と君の両親は君と似ている心地の良い声で、話し始めた。
『この子は、歌が大好きで…将来は歌手になる!って言っていたんですが、半年前に家でいきなり倒れ。病院で告げられたのは余命半年。あの子は歌という、自分の希望を、自分で捨ててしまった。それからはどこにも行かなくなり。家で、ただ泣いて過ごすようになりました。そんな時、あの子はいつの間にか外に出て、探しに行こうとした時にしばらく見てなかった、きらきらの笑顔でただいま!って帰ってきたんです。ある人が私に、もう一度、希望をくれたの!と笑顔で…それからは、いつも決まった場所に行って歌を歌うようになりました。その希望をあげたのは、貴方ですよ。』
という
『いえ!僕は何も…』
そういうと、君の両親は、 君と同じ、優しい笑みで。
『いいえ。貴方ですよ。私たちはあの子を見守ってきた。あの子があの場所で歌う時には、貴方がいた。貴方があの場所に来るから、あの子は歌っていたのよ。』
と優しく言う。 あの子が言っていたのと。「余命半年と言われ、闇の中にいた日々で、もう、私に生きる希望はないと落ち込み、あの場所で声を枯らすまで歌っていた時。ある人が来て、そんなふうに歌っていたら綺麗な声で歌えなくなってしまうよ。って私に優しく声をかけてくれた人が!私の歌を綺麗だと言ってくれたっ!」って、『貴方は何気ない言葉だったと思うわ。でも、その言葉にあの子はまた希望をもてた。』

生きたいと
貴方に歌を届けたいと…

それを聞いて、思い出した。
そういえば、あの場所で前に泣き叫びながら歌ってる女の子がいたと…
今にも消えていきそうで、僕は素直な感想をのべたのだと…
あの時、あの場所で、僕が声をかけた子は君だったんだと、あの時から僕は、君に惹かれていたのだと。

僕はあの歌を聞いていると、なんとも言えない気持ちになる理由がちゃんと、わかった気がした…

「君の生きたい。
生きて歌いたいという叫び 」だったのだと。
その話を聞いた直後、君はあの空に旅立った…

僕は、君に言えないまま…


今年も、心地の良い春風が吹く季節になったよ。ふと、春風にのって君の歌声が聞こえてくる…君はあの空で歌っているのかな?

僕は君を永遠に愛してる…