―――試合が終わった。――――
結果は7回コールド負け。
先輩の夏が終わってしまった。
そう思うと、急に、今まで惜しみなく多くの努力をしてきた先輩のいろんな姿が思い出された。
勝手に涙が溢れ、流れ落ちた。
私が泣いたってどうにもならないことはわかっている。
でも、せめて9回の最後の最後まで戦わせてあげたかった。
例え負けたとしても…。一点でも入れさせてあげたかった。
野球が好きで好きで、でも、野球ができない環境に耐えてきた先輩。
ようやく野球ができるようになったのに、部員が足りずに昨年は試合が出来なかった。
そんな先輩を見てきただけに、悔しさと寂しさが溢れてきたのだ。
私が泣いたって仕方ないけど…。
私たちは肩を落として学校へ戻った。
りこちゃんは泣いている私を優しく励ましてくれた。
水谷先輩は私なんかより、計りしれないほど悔しいはず。
どういう言葉をかけてあげたらいいのだろう。

