その様子を、少し離れたところから見ていたらしいりこちゃんが私のところに飛んできた。
『ね、今、中島と何話してたの?
何かいい雰囲気だったじゃん。
いつももだけど!』
『え~、そうだった?
いやね、私が悩んでるから、心配してくれてるんだ。何か僕に出来ることがあったらいつでも言って!って言ってくれた』
『もう~!やっぱり、陽子の事が好きなんだよ。
いい加減、素直になりなよ!
ふたり、いい雰囲気だよ!お似合いだと思うな~!』
『もう~!やめてよ!だって、もしそうだとして、本人からちゃんと気持ちを聞かないと、私は信じられない』
『じゃあ、告白されたら?付き合う?』
『……。かもね』
思わず、ちょっとにやけてしまう。
『あ~、もう!もどかしいなぁ!』
こんな話をしても、本人からは何も言われないのに自分の自惚れた勘違いかもしれない、と思うとすぐにりこちゃんの話を鵜呑みにはできなかった。
恋に臆病になってるんだ、きっと。

