ある日、私たち1年の教室がある4Fから1F に降りる途中の階段でたまたま水谷先輩に会った。


先輩は優しく、気恥ずかしそうに会釈をしてくれた。


それだけで、私の心は踊り出しそうに嬉しかった。


そしてまたある時は、人がいない時に、偶然廊下で会うと先輩は優しく、気さくに声をかけてくれた。


『やあ!陽子ちゃん!
元気だった?』


(???えっ?
陽子ちゃんって、私の下の名前。

あの、真面目そうで恋愛経験のあまりなさそうな(←失礼だよね)
先輩が、今、私を下の名前で呼んでくれた?)