休み時間―。


『みっちゃーん!』


また来ちゃったよ…岩山君。


手招きされて、仕方なく廊下に出ると隆君たちもいる。


『クラスが離れて残念だね。
でも、僕の気持ちは変わらないから。
これからもよろしく』


少し照れたように下を向きながら言う隆君。


『みっちゃん、こいつがいる事、忘れないでよ!
これからも、グイグイ行くと思うから!』


『そんな、グイグイこられても困るけど…』


そんな私の言葉は無視されたかのように、


『じゃ、また来るから!』


そう言って彼らは去っていった。


もう、困るよ…。
ようやくクラスが離れてホッとしてたのに、こうグイグイ来られても…。


困った顔でりこちゃんに助けを求める。


『りこちゃーん!(泣)』


『はぁ、陽子も大変だねぇ~』


『もう~、他人事みたいに…』


『他人事だも~ん!(笑)』


こんな風に私をからかうりこちゃん。

先輩たちが卒業し、私たちは先輩を思い出に変えられるように頑張ろう!と話していた。


りこちゃんは、もう、関口先輩の事、吹っ切れたのかなぁ。


私はまだ、無理。
なかなか、先輩の事が忘れられない。

私にとっては、先輩との思い出はとても内容の濃いものだったから。
簡単に忘れられるわけがない。