久しぶりに和希に声を掛けられた訳だが、振られてから数日は目を合わせる事も出来なかったし、こうやって他人行儀にしか喋れなかったけれど。
私の中で或叶さんの存在が大きくなるにつれて、和希を見てもなんとも思わなくなっていた。
営業の坪倉さんを呼び出し、私は和希をミーティングスペースへと案内する。
「結婚式、来週だったよね?」
何気なく和希に話し掛けた。私はいつまでもあなたの事を引きずってはいないと暗に示したかった。
「え。あ、ああ」
「さすがに出席は出来ませんが、おめでとうございます」
「ありがとう」
和希は意外そうな顔をして、椅子に座った。
「て言うか、朱音さ……? 今フリーだよな?」
失礼します、と一礼し、立ち去ろうとした所でそんな言葉を掛けられた。
「俺の同僚にさ、お前の事スゲー気に入ってるやつ居るんだけど、一度会ってみない?」
私は作り笑いから一転、真顔になる。
「お断りします」
「え」
「それにもうフリーじゃありませんので、他所から好意を寄せられても困ります、同僚の方にそうお伝えください」
私の中で或叶さんの存在が大きくなるにつれて、和希を見てもなんとも思わなくなっていた。
営業の坪倉さんを呼び出し、私は和希をミーティングスペースへと案内する。
「結婚式、来週だったよね?」
何気なく和希に話し掛けた。私はいつまでもあなたの事を引きずってはいないと暗に示したかった。
「え。あ、ああ」
「さすがに出席は出来ませんが、おめでとうございます」
「ありがとう」
和希は意外そうな顔をして、椅子に座った。
「て言うか、朱音さ……? 今フリーだよな?」
失礼します、と一礼し、立ち去ろうとした所でそんな言葉を掛けられた。
「俺の同僚にさ、お前の事スゲー気に入ってるやつ居るんだけど、一度会ってみない?」
私は作り笑いから一転、真顔になる。
「お断りします」
「え」
「それにもうフリーじゃありませんので、他所から好意を寄せられても困ります、同僚の方にそうお伝えください」



