続・電話のあなたは存じておりません!

 *

 ーー気持ちよかった……。

 このままシーツの上で溶けてしまうんじゃないかと錯覚するほど、彼とのセックスは快感そのものだった。

 何度も胸を上下させて荒い呼吸を繰り返す。

 私の隣りへ寝転び、或叶さんは頬に張り付いた私の髪をそっと耳に掛けてくれる。そのままヨシヨシと頭を撫でられた。

「このぐらい好きだよ、朱音のこと」

「よく……、分かりました」

 フッと目尻を緩ませて、或叶さんが微笑を浮かべる。

「ねぇ、或叶さん」

「うん?」

「私と結婚を前提にしたお付き合いがしたいって、前に言ってたよね?」

「……うん。そうだね」

「じゃあ……結婚しましょ?」

「え……」

 彼は私の瞳を覗き込み、暫し無言になった。

「い、良いの?」

「私の事、ここまで本気にさせておいて……逃げたら承知しないんだから」

 ある種、束縛かと思ったが。そう言わずにはいられなかった。

 少し強い口調で睨み上げると、或叶さんは眉を下げてハハッと笑う。

「たまらないな、朱音は。可愛くて仕方ない」

 またおでこにキスをされてリップ音が鳴る。

「それじゃあ、早速明日から準備に取り掛かろう」

 或叶さんは私の頭に腕を回し、腕枕をした状態で天井を見上げた。

「まずは婚約指輪を選びに行って、両家の挨拶も済ませて……式は和か洋のどっちにするかも決めないと。
 ああ、あと、日取りとか結納はどうしよう……新居も決めなければいけないし」