続・電話のあなたは存じておりません!

「……」

「あ……」

 言わずもがな、彼はキョトンとした目で私を見ていた。

 ーーどうしよう。

 つい、うっかり。名前で呼んでしまった。

 普段から散々心の中でそう呼んでいたから、なんの抵抗もなくするりと口から出てしまった。

 或叶さんは僅かに頬を赤らめた。

 横抱きされたままの状態なので、至近距離で見つめられ、異様に心拍が速くなる。

「相変わらず。キミは俺を夢中にさせるのがうまいね?」

「……え」

 或叶さんは熱を帯びた瞳を細め、私のおでこにチュ、とキスを落とす。

以前(まえ)に聞いたよね?
俺がどのぐらい()()を想ってるかって」

 躊躇いもなく名前を呼ばれて心臓の奥がドキンと音を立てる。

「これからそれをじっくりと教えてあげる」

 そう言ってされるがままに運ばれて、私の体はベッドに降ろされた。或叶さんは(ひざまず)き、私の足からパンプスを脱がした。

「ほんとはずっと。抱きたくて仕方なかったよ」

「え……」

「だから朱音の気持ちがちゃんとそっちに定まるまで……待つつもりだった」

「或叶さ、」

 覆いかぶさった彼に唇を塞がれて、触れるだけの優しいキスを何度も繰り返される。

 次いでおでこや頬、耳にもキスをされる。

 じれったい、と感じた。

 もっと激しくキスされたい。私の全部を求めて欲しい。