続・電話のあなたは存じておりません!

「……っ、はいっ、」

 彼と繋がれた手にキュッと力をこめて、泣きそうになりながらも頷いた。

 二人きりでエレベーターに乗ると、彼はスマホを手にして既に呼んでいた車にキャンセルの電話を掛けていた。

 単純に、或叶さんも私と同じ気持ちだったのが嬉しくて、心臓がバクバクと暴れ回っていた。

 エレベーターは最上階で停まり、彼に連れられて部屋へと入った。

「……わぁ、すごい……っ」

 多分、相手が或叶さんじゃなければこんな場所には二度と縁がなかっただろう。

 そう思えるほど、素敵な部屋だった。

 ーースイートルーム、だよね?

 キングサイズのベッドがありありとした存在感を放っている。

 自分で言い出した事とは言え、今さらになって羞恥心がわき上がる。

 私はソファー横の窓際へと駆け寄った。高層階の眺望は言うまでもなく、その景色にぽっかりと口が開く。

 ーー素敵。

 暗闇にキラキラと点在する夜景を見つめながら惚けていると、不意に後ろから温かい熱で包み込まれた。

「……あ、あのっ」

 振り返って見ると、彼は既にジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めていた。

「さぁ、おいで?」

 一瞬でふわっと体が浮き、気づいた時には彼にお姫様抱っこをされていた。

「あ、あのっ、ちょっと待って、()()さんっ」