続・電話のあなたは存じておりません!

「呆れた人ね……。あなた彼氏から何も聞いてないの?」

「何も、とは?」

 瑞穂さんは話にならないと言いたげに首を振り、鞄から自分のスマホを取り出した。

 親指でタップやフリックを繰り返し、私の手前にそれをスッと差し出した。

 ーーなに?

 何の準備もなくその写真を見たから、酷く動揺した。ビクッと肩が震える。

「芹澤さん? あなた半年も和希と付き合ってたわよね?」

 私は彼女が提示した"和希との写真"を見て、眉を寄せた。

 あの夜、無理やりキスマークを付けられた時の写真だった。

「和希が浮気相手とは別れるって言うから、直接私が動く事はなかったけど。こういう事されると動かざるを得ないじゃない?」

 ーーこの女性(ひと)。和希の婚約者だ……!

 私は何も言えずに、ただ彼女の動向を見守った。

 瑞穂さんはジッと私を睨んで言った。

「訴えるつもりだったのよ? あなたを」

「……っ、」

「まんまと和希に騙されて付き合っていたのだとしても、この写真はないでしょ?」

「そ、それは。あの人に待ち伏せされて……無理やり」

「知ってるわ。雇った探偵もそう言ってたから」

「……え」