続・電話のあなたは存じておりません!

 まだ私の机やノート類が有ればいいんだけど……。

 翌日の土曜日。私は実家の母に電話を掛けた。

『あら、朱音。急にどうしたの?』

 先日の母の日でさえも実家には帰らず、お花だけを贈って済ませたので、何かあったのかと心配された。

「別にこれと言って何も無いんだけどさ、私が高校の時に使ってたノート類ってまだ残ってたかな?」

『……えぇ? ノート? 触ってないからあるはずだけど?』

「そっか。ありがと」

 急ついでに、今から実家に帰ってもいいかな? と尋ねて、電話を切った。

 母は戸惑いながらも、声には喜びが滲み出ていた。

 ちなみに実家は隣りの県なので、電車に乗れば二時間ちょっとで着く距離だ。

 *

「お帰り〜、朱音。確か正月ぶりだったかしら?」

「うん」

 ただいま、と答えて玄関で靴を揃えた。

「んっとに、あんたも真斗も全然帰って来ないんだから」

「ごめんごめん」

 私同様、私の兄も他県で仕事をしている。

「真斗もねぇ、一度彼女を連れて帰って来てくれたけど、あれからとんと連絡も寄越さないし。
 ……って、そう言えば朱音も年上の彼氏が居るって前に言ってたわよねぇ? その後どうなの、結婚とか」