「失礼します。」

今風の服装に 身を包んだ 瑞希ちゃんは

きちんと挨拶をして 俺の車に 乗りこむ。


事務所から 最寄りの駅までは 15分くらい。


「どこに 遊びに行くの?」

黙っているのも 気詰まりなので 

俺は 気軽に 話しかける。


「ちょっと。友達の家まで。」

「もしかして 彼氏?」

「まさか。彼氏なんて いないです。」

「そうなの。可愛いから モテるでしょう?」

「全然。私 生意気だから。男受け 悪いんです。」

さすが 社長の娘。話が 面白い。

俺は クスクス笑ってしまう。


「進藤さんは?土曜日なのに。ウチなんか来てて。彼女に 怒られないんですか?」

「ハハハ。俺も 彼女 いないから。」

「へぇ。モテそうなのに。」

「俺も 女受け 悪いんで。」


瑞希ちゃんは ケラケラ笑う。


仕事以外で 女の子と話すのは 久しぶり。

俺は 職場の女性とは あまり話さないから。

千佳のことが あってから 女性不信で。


思いがけなく 遭遇した

若くて ピチピチした瑞希は 新鮮だった。