「本当につらいときは「たすけて」っていうからって愛鳥にいったんだよな?」

「え?うん」

「それ、まだ有効だから。俺にも。だから絶対いえ」


でも、最悪なことが起きてからじゃ遅いから。

手遅れになる前に、自分を守ることも真美には覚えてほしい。



前まで大きかった壁はいまはだいぶ小さい。

これなら俺だって越えられる。簡単に。



「はは。わかったよ。そんときは、よろしくね」

「まかせとけ」


やっと少しだけ問題が解決したような気がしてほっとしたのに。


もっと大きな、壮絶な問題が、俺たちに襲いかかろうとしていた。