そして、卒業の日・・・。


正門から昇降口へと続く一本道は、鮮やかな桜並木に覆われ、俺たち卒業生の門出を祝福してくれている。


まだ少し肌寒いくらいの冷たい風が、たくさんの花びらを運ぶ。


そして、もう着ることのない黒い制服に明るい色をつける。


卒業式が終わり、やまちゃんの最後のホームルームも終わった。


これで終わりだ。


俺の高校生活も、俺の生徒会長としての役目も、俺の初恋も・・・。


途端にほほを一筋のしずくが伝った。


「おい圭吾―!泣いてるのか?」


「ああ、やっぱり卒業って悲しいなと思って」


「圭吾がそんなこというなんて珍しいな~。おまえ裏で感情のないロボット生徒会長って呼ばれてたんだぞ」


「なんだよそれ、初めて聞いたぞ」