「別にダブルベッドでいいよ。子どもの頃、よく一緒に眠ったじゃない。泊まりに行ったりして」
「子どもの頃とは……」
「今は婚約者でしょ。なら、なおさらいいじゃない」
しれっと言っておきながら、心臓はおかしくなったみたいにどかどか鳴り響いていた。
佑はなんと答える?お願い、拒絶しちゃわないで。
「わかった。咲花がいいなら、俺はいいよ」
佑は納得したというより、私に気圧されたように頷いた。
ふうと胸をなでおろす。よかった。いや、よくはないけど、よかった。
たぶん、このダブルベッドは大事なファクターになると思う。一緒に寝起きすれば、最初は緊張しても、いずれ心が近づいて行けるんじゃないかな。気持ち的にも物理的にも。
「あ、でもお金に間違いがあるといけないから、注文が間違ってるのかは確認した方がいいね」
「ああ、そうする……。ところで咲花、キッチンで何か煮てるか?」
佑に言われ、今度は心臓が止まりそうになった。
シチュー!忘れてた!
キッチンに飛んでいくと鍋の中で、ほぼ水分の飛んだ野菜たちが煮えている。
「焦げてなくてよかった。ルーを入れる前で幸いだったな」
私の後ろから佑が覗き込んで言った。
「でも、美味しい野菜のお出汁は全部蒸発してしまった気がする~」
「そんなことないだろ。ほら、水足せ、水」
水を足して煮直したシチューは、じゃがいもが正体をなくすくらいぐずぐず。味はとりあえず美味しくできている。よかった、食卓には出せそうだ。
「子どもの頃とは……」
「今は婚約者でしょ。なら、なおさらいいじゃない」
しれっと言っておきながら、心臓はおかしくなったみたいにどかどか鳴り響いていた。
佑はなんと答える?お願い、拒絶しちゃわないで。
「わかった。咲花がいいなら、俺はいいよ」
佑は納得したというより、私に気圧されたように頷いた。
ふうと胸をなでおろす。よかった。いや、よくはないけど、よかった。
たぶん、このダブルベッドは大事なファクターになると思う。一緒に寝起きすれば、最初は緊張しても、いずれ心が近づいて行けるんじゃないかな。気持ち的にも物理的にも。
「あ、でもお金に間違いがあるといけないから、注文が間違ってるのかは確認した方がいいね」
「ああ、そうする……。ところで咲花、キッチンで何か煮てるか?」
佑に言われ、今度は心臓が止まりそうになった。
シチュー!忘れてた!
キッチンに飛んでいくと鍋の中で、ほぼ水分の飛んだ野菜たちが煮えている。
「焦げてなくてよかった。ルーを入れる前で幸いだったな」
私の後ろから佑が覗き込んで言った。
「でも、美味しい野菜のお出汁は全部蒸発してしまった気がする~」
「そんなことないだろ。ほら、水足せ、水」
水を足して煮直したシチューは、じゃがいもが正体をなくすくらいぐずぐず。味はとりあえず美味しくできている。よかった、食卓には出せそうだ。



