今度は寝ぼけていないようだ。うーんと伸びをしてから、顔を巡らせる。
家族が勢ぞろいしていることには面食らったようだ。
「佑、私、また寝ちゃってた?」
「ああ、ゆっくり休んでいたよ」
「佑……が呼んだの?」
「悪い、咲花。俺の一存で集まってもらった」
黙って見ていた親父が俺を覗き込み、尋ねる。
「本当に……咲花ちゃんのお腹にはおまえの子がいるのか」
「……ええ、います!」
咲花が代わりに答えた。お腹を大事そうに押さえて。
咲花の両親が複雑そうな表情で娘を見つめる。
俺は父親に釘を刺すように言った。
「父さん、この子を陸斗建設の跡継ぎという目で見られては困ります。俺と咲花の子です」
うちの両親ならすぐに後継者としてみなすだろう。先手を打ってから、俺はあらためて四人を見渡した。
「俺と咲花の子なんです。親父とお袋の、お義父さんとお義母さんの初孫です。喧嘩をやめろとは言いません。仲裁する気もありません。ですが、咲花が赤ん坊を安心して産めるよう協力してください」
俺の言葉に場がしんと静まり返る。
そこに咲花が言葉を重ねた。驚いていたようだけれど、すっと居住まいを正して親たちを見据える。
「私、誰がなんと言おうと、この子を産みます。この先も佑と生きていきます。だけど、私たちを産み育ててくれた両親に孫を抱いてもらえないのは悲しい
家族が勢ぞろいしていることには面食らったようだ。
「佑、私、また寝ちゃってた?」
「ああ、ゆっくり休んでいたよ」
「佑……が呼んだの?」
「悪い、咲花。俺の一存で集まってもらった」
黙って見ていた親父が俺を覗き込み、尋ねる。
「本当に……咲花ちゃんのお腹にはおまえの子がいるのか」
「……ええ、います!」
咲花が代わりに答えた。お腹を大事そうに押さえて。
咲花の両親が複雑そうな表情で娘を見つめる。
俺は父親に釘を刺すように言った。
「父さん、この子を陸斗建設の跡継ぎという目で見られては困ります。俺と咲花の子です」
うちの両親ならすぐに後継者としてみなすだろう。先手を打ってから、俺はあらためて四人を見渡した。
「俺と咲花の子なんです。親父とお袋の、お義父さんとお義母さんの初孫です。喧嘩をやめろとは言いません。仲裁する気もありません。ですが、咲花が赤ん坊を安心して産めるよう協力してください」
俺の言葉に場がしんと静まり返る。
そこに咲花が言葉を重ねた。驚いていたようだけれど、すっと居住まいを正して親たちを見据える。
「私、誰がなんと言おうと、この子を産みます。この先も佑と生きていきます。だけど、私たちを産み育ててくれた両親に孫を抱いてもらえないのは悲しい



