まず、顔を見てほっとした。
「命に別状はありません。奥様もお腹の赤ちゃんも」
医師のその言葉にさらに安堵する。
「ただ奥様は左足の脛骨にヒビが入っています。また、側頭部を強く打っています。転んだ時にお腹を庇ったんでしょう」
事故の詳細は、警察官から聞いた。
咲花は買い物に向かう途中、歩道で自転車同士の接触事故に巻き込まれた。片方の自転車が咲花にぶつかり、彼女は転ぶ瞬間に無意識にお腹を抱えるように転んだらしい。
「脳震盪を起こしたようです。じきに目覚めると思いますよ」
咄嗟に赤ん坊を庇った咲花はすごい。そう思いながら、足と頭に包帯を巻き、頬に擦過傷を作った咲花の痛々しい姿に涙が出そうになる。
警察が事故の調書を作るというので、咲花の情報を話し、それから病室に戻った。咲花はまだ眠っている。
目覚めたとき傍にいたいので、俺はベッドの横の椅子にかけた。しかし、咲花は何時間経っても目覚めない。
夜、医師が再び診察をしてくれたが、やはり脳内に出血などの異変はない。
咲花は眠っているだけだそうだ。
「命に別状はありません。奥様もお腹の赤ちゃんも」
医師のその言葉にさらに安堵する。
「ただ奥様は左足の脛骨にヒビが入っています。また、側頭部を強く打っています。転んだ時にお腹を庇ったんでしょう」
事故の詳細は、警察官から聞いた。
咲花は買い物に向かう途中、歩道で自転車同士の接触事故に巻き込まれた。片方の自転車が咲花にぶつかり、彼女は転ぶ瞬間に無意識にお腹を抱えるように転んだらしい。
「脳震盪を起こしたようです。じきに目覚めると思いますよ」
咄嗟に赤ん坊を庇った咲花はすごい。そう思いながら、足と頭に包帯を巻き、頬に擦過傷を作った咲花の痛々しい姿に涙が出そうになる。
警察が事故の調書を作るというので、咲花の情報を話し、それから病室に戻った。咲花はまだ眠っている。
目覚めたとき傍にいたいので、俺はベッドの横の椅子にかけた。しかし、咲花は何時間経っても目覚めない。
夜、医師が再び診察をしてくれたが、やはり脳内に出血などの異変はない。
咲花は眠っているだけだそうだ。



