ねぇ、好き。

「ねぇ、イケメンさん。その子嫌がってるんだけど。」

男の人の声が聞こえた。

「え……」

一瞬、目を疑った。

だって、いつも駅で私に話しかけてくる、あの男だったから。

彼は私を守るように引き離してくれた。

「は? 僕とその子付き合ってんの。邪魔しないでくんない?」

は?

付き合ってねーし。

言い返そうと口を開くと、その声を遮るように低い声が響いた。

「だとしても、嫌がってるならやめろ。男のすることじゃねぇだろ。」

付き合ってる発言に彼は一瞬怯んでからそう紡がれた。

思わずうんうんと頷いてしまった。

「チッ。じゃあね、美優紀ちゃん。」

じゃあね、じゃねーよ!

てか美優紀ちゃんって何?

気持ち悪いわ!

やば、吐き気がする…。

吐き気を我慢するために、あいつへの反抗の言葉はどれも出なかった。