「……なんですか? ついてこないでください。」

冷めた目で言うと「グサッ。うわー、傷ついたー。心が折れたよぅ。」と言って倒れたフリをする。

……そう。

電車内で私を助けてくれた彼が、ずっと私についてくるのだ。

「どうでもいいですけど。用があるんでしたら一言言えば済む話ですよね?」

私はチャラい人が嫌いだ。

だってキモいし、いつも寄ってくるし……。

なんというか…一言で言えば、気持ち悪い。

そんなチャラい彼が私に何の用があるというのか。

「おぉ、塩対応っ。別に用があるなんて言ってないよー? たまたまこっちに用があっただけで。」

「…」

「無言かぁ。嘘だよ、君の思った通り。僕は君についてきてる。」

「…こないでください。」