春の闇に連れ去らレ


よく分からない理由のまま、謝ることもせず、緤はリビングから出て行った。

偶に三歳児みたいになるなあ、と思いながらよろよろとソファーから立ち上がる。

ばし、と背中に何かが投げつけられて振り向く。

消毒液が落ちていた。

緤の足音が寝室へ戻った。

……調子が狂う。

普通に言葉で伝えてほしい。

溜息を吐いて歯型に触れる。

「うわ、べとべとする……」

痛いし。