それに気を取られていると、肩を掴まれてこちらがよろめいた。さっきと同じ、近くのソファーへ二人して倒れ込む。
「緤さん」
折角引き剥がしてもらったのに。
どうにか下から這い出ようとソファーの背もたれを掴む。腕に力を入れようとすれば、脇腹を擽られた。一気に力が抜けて丸まる。
「起きてるなら退いてほしいんですけど」
「無理」
そう言いながらも、緤は腕で上体を起こした。
シュウもそうだけれど、酔っても顔に出ないタイプなのか。通常と変わらない。
グレーの瞳を見上げる。
服の中に入っていたドックタグが顔を出す。



