まだ高校の制服を着ていた時、派手に喧嘩をして帰ってきたこともあったから、もしかしたらそういうので名高いのかもしれない。
思えば、先を歩いていたのに、わざわざここまで戻ってきてくれた。
「緤さん」
「なんだよ」
「来てくれて、ありがとうございます」
言うと、真顔のまま頭頂部を掴まれる。
「な、んですか」
「縮めてる」
「やめて貰って良いですか」
いやちょっと、押さないで。
頭から手が離れる。
緤は先を歩いていく。あたしはその後ろをついていく。
この背中についていくのも、違和感がなくなった。
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