表情を読み取ろうとその横顔を見ていると、徐にこちらを向いたので目が合う。
この男もグレーの瞳をしている。そういえば、どことなく顔が似ていた。
「これからセツの家に行く。お前はそのナイフでアイツを殺す。殺したら家の電話から連絡しろ。連絡が無かったら明日の夜、俺がお前を回収しに行く」
これからの行動を順序立てて話した。
「……セツって、どういう字ですか?」
「漢字か?」
「はい」
太陽が街の向こうに沈んでいく。窓から差し込む夕陽が眩しい。
「糸へんに、ヨウ。蝶のつくりの方」
緤。
分かりやすい説明。



