「今の市立前橋の管野芽依ちゃいますかっ!?」

遅れて着替えてやってきた静香が尋ねると、
「静香知ってんのかよ!?」
「知ってるも何も中学の時に毎年毎年関東大会でアイツら千葉中と当たってたやろっ!?覚えておらへんのか?!去年の中学総体決勝の相手やろ!?」

「・・・そうだったっけ?」

「ミニバス時代から天才少女やって騒がれてたやろ。小柄なくせして恐ろしいドリブラーやで。もしかして明日当たるんですか?」
当たったら勝ち抜きも危ぶまれる相手であること間違いなしの相手に怯える静香の元へ、

「千葉とは当たらないわよ。」

神崎監督がリストをチェックしながらやってきた。
「明日うちはさっき勝ち抜いてきた栃木と対戦してもちろん勝って関東代表決定よ。」
「なんや、余裕やないですか。」
「千葉も茨城と対戦して勝ち抜き決定。よって千葉と戦う可能性があるのは国体本選のみ。」

「どっちにしたってうちの敵じゃない。」
田島はクールに言い放つも、
「そうでもないわよ。千葉は去年国体で全国3位よ。しかも一昨年は準優勝。当時の二年三年に加えて大型ルーキーの管原が加わったのはでかいわよ。」
全国上位常連校である千葉は、愛知の次に手強い相手になることに間違いないと言い、

「正直、千葉に当たらなくてよかったわよ・・まずは予選突破で本選に向けてどんどん連携深めたかったし。」
はぁっと安堵のため息をつく監督。
「じゃもう千葉と東京で関東代表の椅子は決まりね。」
田島の視線の先はもうすでに来月の本選を見据えていた。

「あんだよ!!!翔真の骨抜き女めぇ!!ぶっ潰してやるのによぉ!!」
燃える未茉に、

(1対1・・・俺、したっけ??)
全然思い出せない翔真なのでした・・・。