「あっ!!!もしかして、コイツが翔真と1対1して泣かせたっつー可愛い子か!?」
ピンッと来た未茉は、問い詰めると、

「え…違…」
「やだぁあっ!!嘘ぉ!!そんな…そんな風に思ってくれてたの?!湊君ってばぁあ!!」
‘可愛い子’の単語しか耳に入ってこなかった思いもよらない衝撃発言にきゃぁあっと盛り上がる芽衣に、

「なんだよ!!お前が翔真の骨抜き女かよ!!まさかこんな早く会えるとはな!受けて立ってやるぜ!!お前どこの誰だ!?」


「湊君の運命の相手、千葉の菅原芽衣よ!!」


「おーい!!菅原いくよぉお!!」
千葉代表が芽衣を呼ぶ声に、
「はぁーいっ!!、あーもう残念。湊君ってば。私達ずっと惹かれあったまま長い月日を重ねて、バスケで運命の再会を果たすなんて…。ねぇLINE教えて!!」

くっつきだす芽衣の頭部をバコッ!!と未茉が殴ると、
「いったぁあい!!」
「ふざけんな!!人の男を人の許可なく口説くんじゃねぇよ!!いいか!?国体でお前のことはぶっ潰す!!」

「望むとこだね!!じゃ、勝った方が湊君と付き合うってことで、文句ないわね!?」

「おう!!女と女の約束だぜ!!負けた時にはコイツをくれてやる!!!」


「え・・・・。ちょっ・・ちょっと待て。勝手に」
勝手に話が進む当事者の翔真は、止めに入る隙もない。


「楽しみにしてるわ!!白石未茉!!!勝利も湊君もWで私が頂いてやるわ!!!」
(運命だわ!!運命の出会いっていうのはまさにこのことね!!)
高笑いの止まらない芽衣は宣戦布告をしながら去っていく。

「あれがお前の言ってた骨抜き女かよ!!あたしの方が全然可愛いじゃねぇか!!お前趣味悪いんじゃねーの!?」
「違…」
否定する翔真の声もかき消されてしまう程、勢いよく胸ぐらを掴む。


「なんだろーなー。すげー白石にイライラが止まらねぇのは。」
「田島さん、それは私も同じですよ。」
棒読みで遠い目をしながら言い合う二人を眺める田島と石井。