「……大成ね。」

「あ、あんた市立前橋の管原か。」
田島も気づくと管原の元にゆっくり近寄ってく。
「知り合いか?」
売店でサービスしてもらったアイスを舐めながら未茉は尋ねた。
「市立前橋って千葉ではインターハイ予選十年連続優勝してるとこよ。名前くらい知ってんでしょ?」
「白石は知らないんじゃない?インターハイも出場できないくらいなんだから。」
腕を組ながらニヤッと意地悪な笑みを浮かべる芽依に、

「あ?」
ムカッと今更ながらする未茉は睨み、

「中学時代唯一、この私を負かした黒歴史を持つのが白石。あんただけよ。」

「ふーん。全然覚えてねーや。」
基本いちいち対戦相手の顔を覚えられない彼女に
「三年も戦えば嫌でもおぼえるでしょ!?」

「おう。負けた相手なら覚えてるぜ。お前あたしに勝ったことねぇだろ?」

「ぐっ・・。」
突っ込みをいれるものの、気を取り直して田島の方を見て礼儀正しそうに微笑み、

「せっかく準決勝で田島さん率いる大成と戦えるかなーっと期待してたんですが、準決勝前に名古屋に敗退とは残念でした。」
「あんたも決勝でエマに負けたんだから一緒でしょ。」


「当たり!!」

「「は?」」
火花を散らし睨み合う二人が同時に未茉に振り返ると
「アイスあたったぁー!!ラッキー♡♡」
アイスの棒にあたりと刻印された棒を持って未茉は売店にもう一回駆け込んだ。