「白石じゃん。」

「あ?」
会場から追い出された未茉は売店でお菓子を食べてると、背後からやってきた千葉のユニフォームを着た女に呼び掛けられた。

「誰だお前」

「忘れた?去年の中学総体でお前に一点差で負けた管原芽依。」


「あ?誰だって?」

「だから管原芽依!!千葉中のエース4番!!」
「……う」
「思い出したでしょ?ふふ…私のこのドリブルに度肝を抜いたことか」

「う……」
「あら?思い出したら自信なくした感じ??」
「まず・・・このクッキーしけってる・・・」
べぇっ・・と思わず口から中身を芽依の目の前で出してしまうと、
「なっ・・・何してるのよ!!きったないなぁっ!!!」
避けるように逃げる芽依に、

「おばちゃんっ!!このクッキーいつの!?しっけってて超不味いッ!!!」
芽依の存在など忘れ売店までクレームをつけに行く未茉に、
「ちょっと聞いてんの!?白石っ!!!」
「あ・・・?」
「だから」
「あ、やるよ。クッキー」
不味いと言った食いかけのクッキーを袋ごと差し出すと、

「・・・・だぁ~~かぁ~~らぁ~~~~!!!」
押し付けられたクッキーを手に取り人の話を聞こうとはしない彼女にふるふると怒りで震え始めると、


「白石、何やってんだよ。」
東京女子一同が荷物を持ち通りかかると田島が冷たい視線をまた送る。
「あっ!田島さん!勝ちましたぁー?男子っ!」
「勝ったよ。」
「やったぁー!」
喜ぶ未茉の隣にいる田島達の顔ぶれを見て、芽依は気付いた。