TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





「女子の初戦は埼玉か。」
会場に着くと広さのわりには関東7チームの選手達や応援の人達でごった返していた。
「すぐに試合だから準備しろー!」
「「はいっ!!」」
インターハイと違って初日からすでに7チームがマッチアップするとのことで、とにかくタイトな日程が組まれていた。

「お、来たね!東京最強女子2トップ!田島君に白石君。」

着替えて更衣室から出てくるとパッシャッパッシャッ!とカメラのフラッシュをたかれ、待ち構えていたのは、
「あ、神様だぁあ!!!」
見覚えのある記者に未茉は指差すと、

「お、白石君!覚えててくれたんだね!」
月刊バスケットボールの小倉記者は元気一杯の未茉を見て嬉しそうに笑った。
「もちろんだぜ!!見ろよ!!この神様バッシュで東京優勝してやるぜ!!」
神様に半分出してもらったバッシュを見せつけポーズを取ってると、

「へぇ。神様かぁ。初めてみた。」
そこに天然翔真も加わってやってきて目をぱちくりさせてると、
「おうっ!!お前も拝んでおけよ!いいことあるかもしれないぜ!!」
「いや・・僕はただの記者だからご利益とかは特にないと思うよ・・・」
(湊君も凄いプレーヤーなのに、コートの外ではネジが取れてるのかぁ・・・)

「こらこらっ!!あんたって子は記者の方に向かってその口の聞き方・・・!!本当にすみません!」
冷や汗をかきながら無鉄砲娘の未茉のジャージを引っ張り神崎監督が捕獲すると、
「あ、いえいえ、大丈夫ですよ・・・慣れてるので。あ…あれ。確か神崎さん、白石颯希君と…」
大学のインカレの祝賀会の時に婚約したっていう2ショットを撮っていたことに気付くと、

「すみません…それはここでは内密にしていただけますか?」
険しい顔で睨まれたので小倉記者は驚いていた。
「ああ。はい…」

(未来の姉が妹を指導か…。試合に集中させるためか…?この子に何か隠す理由でもあるのかな?)
神様はなんとなく気になるのであった。