「白石はいつも満たされてるから無限に元気が湧くんじゃない。」
「満たすも何もそんなの自分次第じゃん。」
「私には満たしてくれる人がいない。翔真がいない。」

「ユリさんって人で自分の生き方左右されんの?翔真もそんなんじゃ重たくってしょーがねーな。」
「!!」
普通に思ったことを言っただけだったが、未茉の冷めた言い方にユリはあからさまに腹をたて


「いい加減だもんね。白石は。」
「あ?」
「中林(静香)が話してるの聞いた。健さんと翔真との間で迷って付き合うの保留にしてるって。」
「だからなんだよ。」

「私は翔真だけが好き。迷い一つない。二股なんかかけるあんたよりも翔真のこと一番に好きだもの。ずっとずっと好き。私の方が必要だものっ!!大好きだものっ……!!!」
今になってぶつけられなかった思いと涙が溢れるユリを見るも、

「そんなの分かんねーじゃん!!」
「え?」
「なんであたしよりユリさんの好きの方が大きいとかわかんの?言えんの?見えんの?」
「そんなの…」
「例え小さかろうが大きかろうが、選ぶのは翔真だろ。」

「…」

「自分のスランプを理由にされた相手の気持ち考えてみろよ。いつまでもへこんでろ!ばーかっ!!!」

べぇーっと舌を出し、中指を立て未茉は怒りながら自分の部屋へ戻っていった。