「可愛い妹っーか、ずっと俺には可愛い女だったけどな。」

昔は変わらなかった手の大きさが年々一回り二回り大きくなって変わってくその手に撫でられながら健の胸の中に顔を埋め、

「翔真のこと好きだから、健兄には断らなきゃって思ってて、でもこうして目の前で顔見ると何も言えなくなる……」

自分の葛藤と不甲斐なさに思わず健の顔を見れなくなって自分の目を両手で隠し、

「受けとめられねーんだよ……でも振ることもできねーんだよ。」

自分でも最低だと、情けねぇと分かっていながらも言い放った言葉にも関わらず、

「いいぜ。俺はそこにつけこむ男だから。」

髪を撫でながら平然と笑う健にまた妹を傷つけない優しさを感じてしまってると、


ーーバッタンッ!!!

「「!!!」」
突然再び開いた部屋の扉の音に二人は驚くもバタバタッと騒々しい足音が向かってくると、

「うわっ・・・!!!」

「どうした匠。そんな慌てて」
ノックもなく、らしくもない取り乱し方をして部屋に駆け込んでくる真っ青な顔色の匠の額には、尋常じゃない汗が流れてるも、

「えっ、未茉!?」
だが匠の視界には薄暗い明かりの中で健が上半身裸で抱きあってる二人の姿に当然ながら驚く。