「ッ……」
濃く引かれたような二重の線が綺麗に浮かぶ瞼が閉じると、それが少しずつ、ゆっくりと自分の方へと落ちてくると、唇もふわりと静かに触れ落ちてくる。
その柔らかい感触と同時にビクッと健の肩を掴んでいた手が震えると、強く心まで見透かされそうな真っ直ぐな視線が反応を確かめるように
「ギブ、しねぇーの?」
その試すような言葉に一気にに未茉の頬は、火がついたように真っ赤になっていった。
「ギッ……」
「全然ギブってねーよ。」
「な…んだよっそれ!!」
そう言いかけて起き上がろうとした体に、健の身体の重みを感じた。
「好きだ。」
ギュッと心臓まで突き破られそうになる程の破壊力を秘めた健の熱いたった一言だった。
(の…脳が溶けそうだぜ…)
思考も視界もくらくらとする未茉の身体をしっかりと抱き締めながら、耳元で囁かれた健の告白に微熱でよろけそうになっていた。
「ちっせぇー頃からずっと未茉しか見てねぇ。お前しかいらねぇー。」
(……そう
いつもそうだった。
健兄はいつもあたしを見ててくれる。いつもあたしの味方してくれる。健兄だけはいつもそうだった。)



