TIPOFF!! #LOVE AUTUMN






「あれ緊張してくれんの?」

「なんか昔一緒に風呂入ってた頃とちげーじゃんっ!体がよっ!」
「未茉はまるで変わってねーけどな。」
まじまじと胸に分かりやすい視線を落とす。
「おいっ!見んなっ!!」
突っ込みを入れると、普段のキリッとした表情とは違い、あどけなさの残る健の優しく穏やかな笑顔に未茉は少しだけドキッとしてしまった。

「こりゃいかん感じだ。」

今になってこの妙なお色気漂うスケベな状況に未茉は我に返った。
「あ?今更。」
逃げられないように寝そべる未茉の足に健の足が割って入り、すっぽりと体を覆う。


「…電気消すか?」

未茉の体を覆いスイッチに手を伸ばしながら、急にフェロモン全開の伏し目がちで色っぽい視線と耳によく響く低い声に一瞬声が出なかったが、

「なぜに今この格好で消す・・?っーかやっぱいい!田島さんのとこ…」
なんとなくいづらさを感じ、違う人の部屋に泊めて貰おうと健の肩を払いのけるも、

「お前、それはねーだろ。」

全く持ってその肩はびくともしなかった。


「俺がお前に惚れてんの知ってるよな?」

「えっ!?ああ……なんとなくにわかに信じがたい事実だけどな。」
「なんだとコラッ。」
痺れる足をギュッと健は握りしめると、
「い゛っだだだだだぁっ!!」
電流が走ったようにビリビリッとする足に涙がちょちょぎれ身動きが取れないでいると、

「ぶっははっ。ばーかっ!」

覆い被さった健が楽しそうに、オフスタイルのくしゃっとした髪を揺らしながら笑ってるのを見て、また胸が熱くなってしまい、

「あたしにとって健兄は兄貴だからっ!!本当に一番の大好きな兄貴!!」
「知ってるぜ?でもお前は俺の気持ち知ってて夜這いにきたんだろ?」
「よば・・?!」